宇宙へ向かうものづくりを、地上から支える。 宇宙へ向かうものづくりを、地上から支える。

航空宇宙領域に挑む、
技術者たちの現在地

ロケット本体、宇宙ステーション補給機、発射台設備。
ひと口に航空宇宙領域といっても、技術者が関わる業務は一つではありません。

アビストの技術者たちは、自動車、工場自動化用機器などの設計で培ってきた経験を活かしながら、それぞれの現場で信頼を積み重ねています。

今回は、航空宇宙領域に関わる3名の技術者に、仕事の魅力や責任、そしてこれからの挑戦について聞きました。

01|PROJECT OUTLINE
航空宇宙領域で、
信頼を積み重ねる
アビストの
技術者たち

アビストでは、ロケット本体、宇宙ステーション補給機、発射台設備など、航空宇宙領域に関わるさまざまな設計業務を担っています。

ロケットの艤装部品設計、宇宙ステーション補給機に搭載される各種機能部品の設計、打ち上げ時に発射台や周辺設備を守る冷却設備の設計・保守など、その役割は多岐にわたります。

国家規模のプロジェクトにもつながるこの領域で求められるのは、確かな技術力と、一つひとつの確認を怠らない姿勢。アビストの技術者たちは、これまで培ってきた設計経験を活かしながら、航空宇宙というフィールドで活躍の場を広げています。

02|MEMBER
ロケット、補給機、
発射台設備
それぞれの立場
から宇宙を
支える3名

下堂薗 淳
Makoto Shimodozono
2003年入社/主席

ロケットの艤装部品設計業務を担当。図面管理や変更対応、部品メーカーとの調整、社内の組立部署との打ち合わせなど、幅広い業務に携わる。自動車や水素タンク設計など、これまでの経験を航空宇宙領域でも活かしている。

大田 理彬
Riaki Ota
2012年入社

宇宙ステーション補給機の艤装設計業務を担当。主にセンサーやヒーター、空調機器、バルブなどの各種機能部品を担当し、強度や振動、流体や熱設計を含む検討、部品メーカーとの調整や評価試験のとりまとめなど幅広い業務に携わる。

棚橋 正成
Masanari Tanahashi
2014年入社

ロケット発射台の冷却設備の運用・保守に関わる設計業務を担当。これまでは工作機械や産業機械などに搭載される汎用モーターの筐体設計業務に携わってきた経験を持ち、現在は発射台や周辺設備、ロケット本体を守る設備の維持・改修を支えている。

03|WORK
宇宙に関わる
仕事の魅力

Q. 航空宇宙領域の仕事には、どんな魅力がありますか?


まず感じるのは、圧倒的なスケールの大きさです。製品そのものの大きさはもちろん、部品の値段やリードタイムの長さも、これまで関わってきた製品とは桁違いです。打ち上げのカウントダウンも、携わる前とは緊張感がまったく違う。自分たちが関わったものが宇宙へ飛んでいくわくわく感は、この領域ならではの魅力です。


私が関わっている宇宙ステーション補給機は、ISS*に滞在する宇宙飛行士へ食料や水、実験機器などを届けるための宇宙船です。自分が設計した部品が、宇宙飛行士の生活や科学実験の成功につながっている。そう考えると、大きな使命感があります。大型宇宙機の開発に直接関われる機会は限られているので、とても貴重な仕事だと感じています。

*ISS :国際宇宙ステーション


ロケットを打ち上げるためには、ロケット本体だけでなく、発射台や周辺設備を守る仕組みも欠かせません。私が担当している冷却設備は、打ち上げ時の高温の噴煙や振動から設備を守るためのものです。表に出る仕事ではないかもしれませんが、打ち上げを成立させるために必要不可欠な役割。その責任の大きさにやりがいを感じます。

REAL POINT
種子島で感じる、
打ち上げ現場の
緊張感。

打ち上げ時や設備保守のタイミングで、種子島へ出張することもあります。現場では、設備が健全に機能するかを一つひとつ確認。ロケットを間近で見た時のスケール感、打ち上げを迎えるまでの緊張感、無事に終わった時の達成感は、現場に近い仕事だからこそ味わえるものです。

04|MISSION
それぞれが担う
役割と責任

Q. 現在、どのような業務を担当していますか?


ロケットの艤装部品全般の設計維持を担当しています。図面の管理や変更対応、部品メーカーとの調整、社内の組立部署との打ち合わせなど、業務は幅広いです。最近では、品質とコストの両方を考慮した設計にも携わっています。前後工程の方々が仕事を進めやすいよう、指示の出し方や現場での組み立てやすさにも気を配っています。


宇宙ステーション補給機の艤装設計を担当しています。艤装設計とは、補給機の中に搭載される各種機能部品を設計する仕事です。センサー、ヒーター、空調機器、バルブなど、一人で多数の部品を担当し、メーカーとの調整や評価試験にも関わります。補給機の中を、人が立ち入れる環境に保つための機器もあり、責任の大きな仕事です。


ロケット発射台の冷却設備の運用・保守に関わる設計業務を担当しています。ロケットエンジンから発生する高温の噴煙や強烈な振動から、発射台、周辺設備、ロケット本体を守るため、大量の水を放水する設備があります。その設備が健全に機能するよう、維持・改修の提案や設計を行っています。

TECH POINT 01
宇宙飛行士の
生活環境を、
設計で支える。

宇宙ステーション補給機は、ISSに物資を届けるだけでなく、宇宙飛行士が安全に生活し、研究活動を継続するための生命線として重要な役割を果たしています。気圧、酸素濃度、湿度などを監視するセンサー、ヒーター、空調機器、バルブ。一つひとつの部品が、宇宙での安全やミッションの成功につながっています。

05|CHALLENGE
前例のない課題に、
技術で向き合う

Q. この仕事ならではの難しさは何ですか?


ロケットでは、エンジン点火やブースター、タンクの分離など、さまざまなタイミングで衝撃が発生します。どのタイミングで、どの方向に力がかかるのかを考慮する必要があり、音による影響を踏まえた強度検討が必要になることにも驚きました。前例があるから大丈夫と考えるのではなく、技術者として根拠を一つひとつ確かめる姿勢が求められます。


機械系・材料系の設計経験はありましたが、現在の業務では熱設計や流体設計など、新しく学ぶことも多くあります。宇宙業界では、安全に安全を重ねる設計思想のもと、膨大な文書管理や厳格な設計審査、過去の不具合に基づいた網羅的なチェック項目に対応する必要があります。難易度の高い環境だからこそ、設計者としての視野が広がっていると感じています。海外メーカーやNASAとのやり取りもあり、英語でのコミュニケーションにも向き合いながら、日々新しい知識と対応力を身につけています。


少しのミスが大きな影響につながる可能性があるため、自分の技術判断一つひとつに責任を持たなければなりません。打ち上げに向けた工程では、想定外の事象にも向き合う場面があります。そうした時こそ、関係者と分担しながら原因を確認し、次に活かしていくことが大切です。責任は大きいですが、その分、学びも多い仕事です。

TECH POINT 02
音も、ロケットの
設計条件になる。

ロケットでは、エンジン点火やブースター、タンクの分離など、さまざまなタイミングで衝撃が発生します。さらに、エンジン噴射で発生する音や振動が、部品の破損につながる可能性もあります。強度、振動、音、軽量化、コスト。複数の条件を同時に考えながら設計することが、航空宇宙領域ならではの難しさです。

06|GROWTH & FUTURE
これまでの経験を、
次のフィールドへ

Q. この仕事を通じて、どのような成長を感じていますか?


これまで、自動車、インバーター、水素タンク、電動工具など、さまざまな設計に関わってきました。その経験が、現在のロケット艤装部品設計にも活きています。分野が変わっても、ものづくりや設計の基本はつながっている。これまで培ってきた知識や経験を、新しい領域で活かせることは、アビストで働く面白さの一つだと思います。


以前は、工作機械に搭載されるモーターの筐体設計や、モーター内部にある巻線(コイル)の性能要件を実現するための電気設計にも関わっていました。そこで培った機械材料系の知識やCADの経験は、現在の業務にも活きています。一方で、今は新しく学ばなければならないことも多いです。日々、熱流体のテキストを確認しながら業務に取り組むなど、学び続ける姿勢の大切さを実感しています。


これまでは、工作機械や産業機械などに搭載される汎用モーターの筐体設計などに関わってきました。現在担当しているロケット発射台の冷却設備は、これまでとはまったく異なる分野ですが、材料など共通して活かせる知識もあります。一方で、流体など新たに学ぶことも多く、もう一度新卒の頃に戻ったような感覚で日々業務に向き合っています。現場に行かないとわからないことも多く、種子島でロケットを間近に見た時は、そのスケールに圧倒されました。これまでの経験と新たな学びを重ねながら、打ち上げを支える技術者として成長していきたいです。

07|FUTURE
信頼を積み重ね、
航空宇宙領域での
可能性を広げる

Q. これから、この領域でどのような挑戦をしていきたいですか?


宇宙領域は、通信や測位衛星など日常を支える分野だけでなく、今後さらに成長が期待される領域です。国家レベルでも重要性が高まっており、民間企業の挑戦も注目されています。だからこそ、まずは目の前の業務に誠実に向き合い、「この仕事を任せられる」と思ってもらえる実績を一つひとつ積み重ねていきたいです。その積み重ねが、航空宇宙領域で技術者として挑戦できる機会を広げていくと思います。


業務内容はそれぞれ異なりますが、同じ航空宇宙領域に関わる仲間が近くにいることは、精神的な安心感にもつながります。高度でプレッシャーの大きい仕事だからこそ、互いに切磋琢磨しながら、自分自身も対応できる領域を広げていきたいです。一人ひとりが力をつけ、任される仕事を増やしていくことが、次の挑戦につながっていくと感じています。


まだ航空宇宙領域に関わるメンバーは多くありませんが、だからこそ、日々コミュニケーションを取りながら経験を共有していくことが大切だと感じています。打ち上げを支える仕事に責任を持ち、現場で得た学びを次に活かしながら、技術者としてできることを少しずつ広げていきたいです。

08|MESSAGE
未来の技術者へ


宇宙航空領域は、スケールも責任も大きい仕事です。前例があるから大丈夫と考えるのではなく、一つひとつ根拠を確かめる姿勢が求められます。これまでの経験や知識を活かしながら、新しい領域に挑戦したい人には、大きく成長できる環境だと思います。


最初からすべての知識がなくても、学び続ける姿勢があれば挑戦できます。私自身も、これまでの機械設計やCADの経験を活かしながら、新しい分野を学んでいます。自分で考え、周囲を巻き込みながら成長したい人には、やりがいのある仕事です。


打ち上げを支える仕事には、大きな責任があります。現場に行かなければわからないことも多く、日々学びの連続です。知らないことを素直に聞き、周囲と協力しながら前に進める人なら、この仕事の面白さを感じられると思います。

ロケット本体、宇宙ステーション
補給機、発射台設備。
それぞれの役割は違っても、
目指す先には同じ宇宙があります。

アビストはこれからも、
航空宇宙領域で信頼を
積み重ねながら、
技術者が挑戦できる
フィールドを広げていきます。